テレビの健康番組でもたびたび取り上げられ、多くの人が「血行不良」という言葉を知っていると思います。
その一方で、「私もきっと血行が悪いんだろうけど…」と認めながらも、あえて改善のための処置をとらず、放置しているのもまた事実です。
あなたは、血行不良を軽く見ていませんか?
現代人の生活は血行を悪くする要因ばかり。
「運動不足」、「睡眠不足」、疲労、ストレスなどなど。
では、血行不良は身体にどんな影響を及ぼすのか、確認しておきましょう。
血液は、①食事によって摂取した栄養分や呼吸によって取り入れた酸素を末端の細胞に運び、②老廃物や二酸化炭素を腎臓・肝臓などの処理機関に運ぶという大きく分けて二つの働きをしています。
血行が悪くなると、栄養分は細部まで行きわたりません。
そして、老廃物はどんどん体内に蓄積されていきます。ごみが家の中にどんどん溜まっていくイメージです。
そうすると、肩こり、むくみ、吐き気、排尿リズムの狂い、自律神経の乱れが生じ、疾患と言えるものに発展することも少なくありません。
決して、放置していてよいものではありません。
では、なぜ血行不良が起きるのでしょうか。
主な二つの原因と体がそれをどう感知するかを理解しましょう。
①筋肉の緊張:
筋肉は緊張が続くと硬くなります
↓
筋肉が血管を圧迫します
↓
血行不良がおきます
↓血行不良が起きたところに、乳酸などの疲労物質(ゴミ)が溜まります
↓
蓄積した乳酸は、知覚神経を刺激して、「痛み」が起こります
↓
「痛み」は筋肉をさらに硬くします
↓
筋肉が血管を圧迫します
↓
と、延々と続く悪循環です
②体の冷え:自律神経が筋肉を固くしたり緩めたり、血管を拡張したり締めたりしていることを理解すると次の関係がよくわかります
体が冷える
↓
自律神経働きにより、体温を下げないために、筋肉や血管を収縮させます
↓
血液の流れが悪くなります
↓
①と同様のメカニズムで、痛みやコリが生じます
血行不良の原因には他にも、姿勢、運動不足、ストレス、喫煙、眼精疲労、偏食、体型などがあります
さて、ここまで、血行不良の原因とそれがどのように体の不調につながるかを考えてきました。
原因を考えると、対策の基本原則もおのずと見えてきますね。
そうです!次の二つは大切です。
①筋肉は、弛める必要がある。固くなったままだと危険!→簡単な体操やストレッチ
②冷えは大敵! 体を温めるように。食べ物、環境(住居、服装、エアコン、お風呂など)
ちょっと生活習慣に気をつけることで、血行を改善することができます。
しかし、悪くなってしまったら、体のメンテナンスをして調整を図ることも必要でしょう。
次回は、血行不良によって具体的にどんなトラブルが生じるかもう少し詳しく取り上げます。