30代の時、原因不明の不調に悩まされていた私はうつうつとした毎日を送っていました。(梅雨バテ?にご注意を!②ーけっこう長いトンネル)
症状が出始めて8ヶ月余りが経過したころ、やっと重い腰を上げて病院を受診します。
受診したのは、内科の開業医。
看板には書かれていませんでしたが、心療内科もやっておられて、知人の話ではそっちの方で結構評判が良いとのことでした。
心療内科は初めてで緊張しました。
先生は40代くらいとお見受けする男性です。
その時の症状はもちろんのこと、発症する前の生活を含めて私の話をよく聞いてくださり、その後で一言。
「あれやな。梅雨バテやな。」(当時関西に住んでいたのでこんな言葉)
「えっ? 梅雨バテですか?」
「そや。あんたみたいな人、ようおるねん。梅雨になってジメジメして、気温も上がるやろ。真夏ほど辛くはないけどやな、気付かんうちに疲れがたまりよるんや。それに気づかんと、ペース変えんと働くと、夏前にでもバタッとチカラが出えへんようになってしまうんや。それがあんたの場合は秋口に出たんやろうな。言うてしまえば、自律神経がまいってしもうた、ちゅうことやな。」
「検査結果も異常なし、身体的には健康やな。たぶんそういうことです。」
「それで… 治るんでしょうか?」
「治る、治る。心配せんでもええ。
まず、眠れるようにせんとチカラが出んから、軽い睡眠導入剤、出しましょ。それから、不安感が強いから軽めの安定剤もな。」
私の症状を理解して、その原因らしきものについてお話しいただけたことに、「出口かも」という希望が持てました。
しかし、向精神薬を服用するのは初めてでしたので、「中毒性」や「薬漬け」というネガティブなイメージが頭をよぎります。
自分がうつ病になってしまったのかという不安とショックもあります。
そのことを先生にお話しすると、
「ああ、みんな心配しすぎなんや。軽い薬やしな、アメリカの方ではバリバリのビジネスマンが、『ちょっと気分乗らへんな、調子悪いな。』いうたら、こういう薬をパッと飲んで、しっかり休んでまた仕事バリバリしよる。ずーっと飲まなあかんというわけでもないから。」
「それに、あなた、よう笑いよる。あんたみたいに笑えるうつ病の人はいいひんで。気にせんでもええと思います。」
その時の診断が正しかったのか、その時の私はうつ病ではなかったのか、私にはわかりません。
でも、自律神経がダメージを受けていることには納得しました。
そして、何より、「出口」らしいものが見えたことに救われた思いがしました。
その後、しばらく処方された薬を服用するようになります。
回復の経過についてはまた後日。